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vol.13

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写真家 川野恭子の
秋旅フォトエッセイ

透けるような青空と爽やかな風が恋しくて。

写真家 川野恭子 の視点で巡る 那須~尾瀬 秋の気配を探す旅。

雨降りが多かった今年の夏。透き通るような青空と、爽やかな風が恋しくて恋しくて仕方なかった8月。

いつまでこの夏雨は続くのだろう…と、空を眺める日が続いたけど、カレンダーをめくると同時にあっけなく夏は終わり、入れ替わるようにして訪れた秋。

透けるような青空の下、爽やかな風に吹かれたいな。

そう思ったときふと、頭に浮かんだ那須高原と尾瀬ヶ原の景色。気づけばカメラとレンズ数本を入れたカバンを持ち出し、ハンドルを握る私。

さあ、秋の気配を探す旅のはじまりです。

那須高原といえば牧場のイメージ。というわけで、ます最初に牧場へ向かうことにしました。

到着すると、そこには求めていた秋の空と、空の色を映した美しい湖がありました。空に浮かぶ雲が、まるでヒツジのようです。

那須の秋空と雲色のどうぶつたち。

園内に入ると、雲色のヤギたちがお出迎え。

おめめクリクリの笑顔がかわいいヤギさん。ヤギさんの毛の色はとても明るい色。正午前後の日差しの下では光が強すぎて毛並みの質感が白く飛んでしまうので、朝のやわらかい光でやさしく切り取ります。

朝はどうぶつたちもお腹がすいているようで、近づくとごはんをおねだり。一瞬見せるかわいい表情はシャッターチャンス。

ウシさんたちもおねだり。上目遣いがなんともかわいくて癒やされます。

このおうまさんは、ちょっぴりシャイな子。いつも遠くから静かに見守る様子が、クールなイケメンのようにも見えて。

日差しが強くなってきたので、飼育小屋へ。小屋の中は直射光とは違うやわらかい光に包まれ、どうぶつたちの表情がよりやさしく見えます。この子の名前は「めりん」ちゃん。小首をかしげた表情が愛らしいのです。

そして、この子の名前は「わたげ」ちゃん。わたげのようにふわふわな毛並みがかわいい子。手書きのネームプレートがこれまたかわいい。

口元やしっぽなど、パーツだけ撮るのも好き。どうぶつの口は「ω」の形。

どうぶつたちがあまりにかわいくて、夢中で撮影していたらいつの間にかお日様は空高くへ。おなかが空いたので出口へ向かうと、こんなところに放し飼いのヤギさん。

ところが、近寄ってみるとこの子はヤギさんではなく、伝説の鹿…という名の置物(笑)

湖を去る前に伝説の鹿さんにご挨拶してから牧場をあとにしました。ステキな景色を見せて頂きありがとうございました…とつぶやきながら。

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撮った写真はプリントしよう

スマートフォンのおかげで、いつでも気軽に撮影できるようになりましたが、その撮りたまった写真、プリントしていますか? 画面の中だけでなく、フォトブックやプリントなど、手に取れる形で残すと、宝物のように愛着が湧いてくるから不思議です。dフォトなら、月額308円でフォトブック1冊かL判プリント30枚を作れるので、宝物が毎月増えていく楽しみを味わえます。家に飾ったり、おじいちゃんおばあちゃんに贈ったり…と、思い出を見える形で共有するのも良いですよね。ステキな写真が撮れたら、ぜひ形に残してみてください。

川野 恭子( Kyoko Kawano )

写真家。神奈川県生まれ。Steidl Book Award Japan 2016 ノミネート。システムエンジニアの職を経て、「空をより青く撮りたい」という思いからカメラを手にする。キッチンから野の花まで、日常の何気ない景色を独特の色と光で切りとる作風で女性からの人気が高まる。執筆や講師、トークショー、広告撮影など、多岐に渡り活動。最近では山に魅了され、山の美しさや、山をとおした死生観を女性ならではの視点で撮り続けている。横浜にて写真教室「Atelier photo* chocot 」を主宰。著書に『はじめてのデジタル一眼撮り方超入門』(成美堂出版)、『写真家きょん♪のふわっとかわいい「ゆるかわ写真」の撮り方ノート』(宝島社)、『子ども写真の撮り方手帖』(マイナビブックス)ほか多数。

監修 笠原竜太